万人に「この宗教は絶対に幸せになれる」と断言できるといえる例はあるか?ないに決まっている。ではどう選ぶべきか?


日蓮正宗系の信徒団体は、いくつかあって、創価学会、顕正会、正信会の3つが有名でしょう。
その中でも、創価学会の躍進ぶりはかなりのものだったですね。

その勢いがすさまじかったのは、第二次世界大戦後ですね。
最高時には、国民の10人に1人が創価学会員だった時期もあるくらいです。
その理由は何か?
やはり簡易さと、普通の服装、いでたちというところにあるでしょう。
従来の日蓮正宗の建物の敷居の高い威厳高さや袈裟がけが、やはり人々を遠ざけていったのは容易に想像できます。
しかし、日蓮正宗の開祖である日蓮(下写真)の教えは、楽観主義にあったのです。

人生は自分で切り開いていける。
そのためには、この信心を維持することで未来は開ける、という趣旨の言葉はだれしも魅力的に映るのは間違いないです。
「この世での自分の役割は決まっているのであって、努力しても報われることはない」という趣旨の教えや宗教よりも何倍も魅力的に映ることは間違いないです。
それによって、創価学会は、大きく信者を獲得し、それまで週一だった機関紙の新聞配布が3日に1度になり、いくらか経って今度は日刊ということにまでなるのでした。
新聞や機関紙の配布の回数や、会合の数も多くなっていったことが可能になったのです。
その新聞や機関誌を目にする回数が多ければ多いほど会員とその宗教との心理的な距離は近くなるのは間違いないのです。
そして、創価の機関紙である聖教新聞は、非常に安易は言葉で書かれているのでわかりやすいのです。
決してハイデガーやアルチュセールといった哲学者といわれる難易度のものすごく高い人のような文章は一切のっていないのです。
しかも、顕正会にしろ、日蓮正宗本体にしろ、新聞の配布は月に一度だけです。

そうなれば人心は離れていくことも懸念されねばなりません。
そういう面においても心理的な距離を狭め、そして半永久的に人心を創価学会につなぐことに成功したのです。
創価学会が他の2者を引き離していったのは、こういう面にもよっているのは間違いないです。
その新聞でも、やはり平易な文章で書かれていることも、また距離を縮めることに成功するのは目に見えています。
私も、創価学会員だった時期があり、それで月に1回から2回ある講堂での会合には少なくとも100人以上は来ていました。
多い時は200人以上も来ていました。
しかし、日蓮正宗本体はどうなのかというと、かなり減少しているのです。

創価学会の新聞では「宗門はかつての2%にまで信者が減少」ということが書かれていたのですが、これは本当なのだろうか?
敵対関係になってしまった相手のことだから誇張していっているだけではないのか?
そんなふうに思っていましたが、実際はその通りだったのです。
日蓮正宗の寺院の前で掲載されていた新聞を立ち読みしていたところ、信者の方が「これから会合があるので参加しませんか?」といわれ、時間があったので参加することにしました。
そこで集まったのは、10人超くらいの人数でした。
私が住む世田谷には、創価学会の講堂は3か所あります。
しかし日蓮正宗の寺院は2か所しかないです。
どちらもどの会合場所はおなじような規模であることは断っておきましょう。
それでこの人数ですから、その「かつての2%にまで減少」という文言がひしひしと迫ってきたのです。
宗門の建物の敷居の高い威厳高さや袈裟のみならず、新聞の発行も月1回しかない、というところにもおっているでしょう。
こういう状態では、やはり人心が離れていくのは否めないです。
しかし、宗門からこれほどにも人が離れていってしまったのは、やはり日顕(下写真)の誤った執政にもあるでしょう。

創価学会のおかげで大きくなったにもかかわらず、創価学会を切り、月1回の信者の登山へもなくなってしまったことで、にぎやかさもまったくなくなり、その登山の際に、登山しに来た人のための民宿や食事の施設、お土産を売る場所や、そこまでのバスやタクシーを使う人のための従業員が一気に職を失ったのです。
こんなふうになってしまった原因を作った人に、たとえ法主であってもついていく人は稀だったのでしょう。
こういうことを鑑みると、やはり、開祖の日蓮が生前に「仏法僧を敬え!」と言っていたからといって法主に無批判でいいとはいえないでしょう。
日蓮正宗の信徒を続けようとせずに、辞めていった人は賢明です。
拍手をしたいですね、その人たちに。
顕正会や創価学会のほかに、日蓮正宗の信徒団体として、正信会というのもあるのです。

やはり、この団体も今では正宗とは決別しているようです。
その経緯は以下です。
1980年、7.4 宗門と学会の僧俗和合路線に水差していた活動家僧侶たちが正信会を結成。
82年1月11日 140名の僧の連署を集結
1月21日 職務執行停止仮処分の申請受理。
職務を辞めるように日顕に問いただし、それが引き金になって日顕は正信会の登山を禁止した。
そして、正信会も破門、ということになったようです。
この団体の一番の反抗理由は、「創価学会が、開祖.日蓮大聖人を拝せず、会長の池田大作を崇めるようになり本末転倒の信心になった」ということのようです。
その批判の是非はこの際、個人の脳内で考えてもらうとして、やはり日蓮正宗のみならず、どの宗教団体においても、離反していく団体は必ずいる、ということでしょう。
その宗教団体が正しいと思ってやっていることが、傍らから見ているといつしか誤った方向に行ってしまいそれを正すべく声明を出すも受け入れられない。
あるいは、組織が大きくなり、その運営で手一杯になってしまい、それを是正している暇がない。
あるいは、不満があれど、面倒になってそれを是正すべく声明を出すということをせず、ただ離反していく。
というようにいろんな理由があって、その団体から離反者が出て、いつしか分裂してしまうのです。
そういう離反や分裂は必然ゆえに私は、そういうことが起こった宗教団体を批判しようとは思わないのです。
しかし、批判すべくは、その宗教団体が非人間的な失政を行うようなってしまった場合には、やはり批判していくというスタンスでいるのです。
しかるに日顕はそういう批判の対象になっているのです。

その内容については、以下に掲げた本を読んでいただくのがいいでしょう。
間違った方向への指摘について、その内容が受け入れられなかったこともあり、また正宗側も忙しくてそれを是正していく時間もなかったということも考えれますし、そういった様々な理由によって両者が反目する場面が多々出てしまっていたようです。
やはり多くの信者を擁する団体になると、それを逐一吟味して、最大多数の信者を説得することはできなくなるのは必然です。
少人数であれば、民主主義的な失政はできる度合は大きいですが、多くなればなるほどできなくなっていくのは、どの団体でも一緒なのです。
日蓮正宗と正信会が離反していってしまったのは、そういう面もあるのです。
意見が2つの団体で異なってしまうのは致し方ないのです。
それを批判しようとも思わないですね。
本山のある日蓮正宗の言うことをきいていればいいのだ、という論理にもくみしないですね私は。
必ずしも正宗の法主が正しいことを言っているかどうかの判断は人によって場合によって違ってくるのです。
ゆえに、吟味をしたうえで、妥当と思われる方をそれぞれの人が選べばいいのです。
以下の写真は、正信会の聖道寺という寺院にある仏壇だそうですが、これは日蓮正宗系からは批判の的になりそうです。
日蓮は生前に偶像崇拝を禁止していたからです。

日蓮正宗は、他の仏教系の宗教とは違って、神道や儒教といった他の宗教の教えを取り入れずに、日蓮だけの教えに帰依していたのです。
しかし、日蓮宗という宗派の場合、日蓮の教えを基調としながらも、他の宗教の教えまでもとり入れて宗教を展開していったのです。
これは邪道だ、と日蓮正宗の人たちは思うでしょうが、私はそうは思わないですね。
なぜなら日蓮の教えだけが至高のものであり、他の事柄は一切邪道、などという考えには至らないからですね。
1つの教えを基調としながらも、いろんなものを取り入れて、自身で工夫していくことで人生を切り開いてきた、という経験が私には多々あるからですね。
1つの教えだけでうまくいくはずはないのです。
正信会は、そんな日蓮正宗系の団体であるにもかかわらず、釈迦などの像も祀るなんて邪道だ、という意見もあるでしょうが、私はどんな工夫をしようがその人の自由、というスタンスなのです。
日蓮正宗系の教えだけでうまくいく、だからその他の事柄は入れるな、などということは神仏でない私は言えないし、保証のしようもないのです。
正宗の教えだけでうまくいく、という人がいるならばその通りにすればいい。
正宗だけの教えでうまくいくわけはないから、他の事柄も取り入れるという人がいるならばその通りにすればいい。
どちらを選ぼうとも自由です。
どちらを選ぼうと、その後やってみてうまく事が運んだら、それはそれでその人に心底エールを送りたいです。
いろんな選択肢が世にはあります。
どれが絶対などということは言えないわけです。
いろんなものを取捨選択して、自身で吟味して、行動していく。
その過程は、その人に任せるほかないのです。
こんなスタンスですから、私は特定の宗教には入らないですし、どの宗教も勧めないのです。
自身でやってください、としか言いようがないのです。
そんなスタンスに興味のある人や、そんなスタンスがどんなものかを真摯に知りたいという人には以下の電子書籍をお勧めします。
●以下よりどうぞ!
『日蓮正宗、創価学会、顕正会 どのように選び接していくか』
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今回はこれにて終了します。
ありがとうございました。



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