学者であろうと学生であろうと専門だけに閉じこもるべからず?常に他領域に関心を? (加藤秀俊)
こんにちは。
文系の大学というのは、法学部とか経済学部とか文学部とかに分かれています。
それぞれの学部に試験で合格した人は入学して、自身の学部で学問を学びます。
しかし不思議だったのは、法学部だったら法や法律に関する事だけを学ぶはずなのに一年次では、一般教養として、文学だの倫理学だの経済学だの歴史学を学ぶわけです。
なんで分野の違うものを学ぶ必要があるのだろうかと不思議でした。
しかし、いろんな講義を受けていくうちに、本をいろいろ読んでいくうちに、そのわけがわかりました。
例えば倫理学と経済学は、いっけん全然関連がなさそうに見えますが、それぞれを学ぶことによって、互いのヒントになるわけです。
より広い視点が持てるというのでしょうか。
経済学を専攻する人が倫理学を学ぶことで、良き公正な取引きに関するモラルを学べるわけです。
公正な取引は健全な経済を運営する上で非常に大事なことです。
単なるお金を動かす行為が経済ではないのです。
経済を動かすのは人間です。
その際に必要なのは倫理的に素晴らしい心です。
やはり二束不離なわけです。
いな、別に必要なことはもっとあるでしょう。
そういう心に留保をつけていくことで、いろんな好奇心が芽生えて、その他の分野について学んでいけば、経済を専攻する人でも、その他いろんな重要事項が学べるのです。
そのいろんな領域への闊歩こそが大事なのです。
ゆえに、いろんなことをまずもって学んでいかなくてはならないのです。
それを発見することが出来た次第なので、一年次にいきなり専門分野だけを学ばない理由がわかりました。
私は法学部生でしたが、一年次は憲法、民法総則、基礎法学の3つだけが法学に関する科目でした。
二年次からは、ほとんど法学や政治学の科目になりました。
その他、一般教養は裁量でいくつか履修していいことになりました。
法学を専攻する学生も同様に、いろんな学問、例えば文学、歴史学、社会学といった学問を学んでいけば、自身の法学の理論を形成し構築する上で、ヒントになる、あるいはものすごく重要になることを学べるのです。
そういういきなりの出くわしこそが学問の楽しさではないでしょうか?
こういうことを一年次の最初の講演で教授は言うべきなのでしょうか。
私の場合は言われてなかったですし、そういったことは自分で気づいた方が面白くなるからこそ言わないべきなのかわかりませんでしたが、そういうことを認識するのは大事なことですよね。
やはり最初に見た認識で、法学部生は法学だけ、経済学部生は経済学だけ学んでいればいいというような風潮が日本を覆っていた時期が60年代から70年代にあったようで、それを批判したのがほかならぬ丸山眞男(下写真)だったのです。
それぞれの学部の教授が自分の専門だけに閉じこもり、他の領域との交流が全く途絶えている、まさに「タコつぼ」という状態になっているということです。
それは眞男氏の『日本の思想』(岩波新書)に書いてあります。
その『日本の思想』では、「哲学はあらゆる科学を基礎づけるものです。しかし、どの学部生も哲学を学んでいない。哲学に関する学部生だけが学んでいる」ということです。
確かに、自身の属する学部に関する学問だけ学んでいては、視野狭窄になり、幅広い視点を持つこともできないし、理論づけにも乏しいものしかできません。
ゆえに、自分の専門だけに拘らずに、いろんな学問を常に学び続ける姿勢が大切なのは言うまでもありません。
教授であろうと学生であろうと。
しかし、そういったことを指摘したのは、丸山だけではなく、私が敬愛していたし今もしている桜井邦朋や故.加藤秀俊(下写真)もしていたことなのです。
いや当時20歳前後だった私ですら、発見できたことなので、そんなにセンセーショナルな議論なのかなあという疑問が頭をもたげました。
この丸山の議論が出た当時の1961年には、センセーションを巻き起こしたようです。
当時私は生まれていなかったので、そのほどはわかりませんが。
一学生ですら分かったことを学者がわかったからといって…と疑問に思いました(笑)
丸山真男はつとにカリスマ性を内包した学者だったようで、本を出しただけで常に注目を浴びやすい人だったようです。
しかし、丸山だけでなく桜井邦朋や加藤秀俊やその他の複数の学者たちも指摘していたことなのに、ことさら丸山を…といつも私は否定的にならざるを得ないんですね(笑)
やはり学者としての立ち位置や出身大学の故もあって、その注目度は違ってくるのは言うまでもないようです。
しかし、どちらが先かといった議論ではなく、大事なのは、どの程度学問に打ち込むか、どの程度学問を楽しんでやるか、といったモラルで取り組むのがいいのではないでしょうか?
いかに注目されるかで、取り組んでいては学問がつまらなくなること必至です。
以上、参考にしてくださいませ。
今回考えたことは以上です。
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⇒加藤秀俊‐この社会学者を科学する
今回はこれにて終わります。
ありがとうございました。
失礼いたします。

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