アダム.グラント 『GIVE & TAKE』
アダム.グラントはこの本である『GIVE AND TAKE』において興味深い研究をおこなっています。
アダムは人を3分類に分けているのです。
それはテイカー、ギバー、マッチャーの3つです。
ギバーとテイカーという概念を対比の構造で捉えたものです。
ギバーは、人に与えることで人生に愉しみを見いだしている人であるとしているのです。
世間を見渡すとそういう人には出会うことはあります。
そういう人は、お人好しで他人にいいように使われる人?というように考えがちですが、そういう部分も当然ありますが、そういうギバーとしての性質を持っていると、人生で得をするという結果が出ているから面白いですね。
ギバーの成功者には、コンサルタント、弁護士、エンジニア、販売員、脚本家、起業家、会計士、教師、ファイナンシャルアドバイザー、スポーツチーム上級管理職が入るようです。
しかし、ギバーの中には、成功できないエンジニアや販売員もいるようです。
そして、人に利用されうだつの上がらない人もいるようです。
ギバーが成功するのは、ギバー特有の現象が起こるようです。
しかし、ギバーの中では、仕上げた仕事、報告書、製図の数、ミス、締め切りの遵守、経費のむだ使いの点で最低点という人も少なからずいるようです。
ギバーの精神よろしく、ほかの人の仕事を手伝っているせいで自分の仕事を終えられないようです。
この本の冒頭で、リンカーン(下写真)を引き合いに出しているのですが、リンカーンは利己的でなく、自己中心的でなく、うぬぼれ屋でもなかったようです。
リンカーンは人を信用して人の利益を一番に考えて行動した点で、上位ランクで3位以内に入るようです。
彼は、国家の利益を優先したようです。
「閣僚はすべてリンカーンよりも知名度も高く、公職の経験も豊富だった。閣内での彼らの存在は、スプリングフィールドからやってきた無名の弁護士の影を薄くしかねなかった。
閣僚には、自分に敵意を持つライバルを選んだ。閣僚には、党内で最も有力な人間が必要だからだ。」
ということです。
自分と利害や価値観が一緒の人間を、こういった地位にはつけるのが普通ですが、リンカーンは国家の利害を最優先にしていた結果、こういうことにしたのですから驚きです。
大事なのは自分ではなく、広く国家のため、ということを最優先にした、ということです。
こういう思想を共和主義というのですが、そのアメリカの形骸化してきている理念の発端は、もしかしたらリンカーンが端緒だったのかもしれないですね。
東京世田谷に出して、最高で年間120億円をたたき出した豚骨ラーメンの「なんでんかんでん」の社長だった川原ひろし氏は、開店当初、値引きセールが終わったら、自腹でビールをお客さんにおごって、話しかけて友人になり、その友人がまた友人を連れてきて、ということを繰り返した結果、そういう偉業に繋がったようです。
また、ロバート.キヨサキの『金持ち父さん、貧乏父さん』で有名な、その金持ち父さんと呼ぶ、友人マイクの父は、大きく儲けたらふり幅が大きく逆に振れないように教会等に多額の寄付をしていて、ロバートにもそれを真似するように教え諭していたようです。
逆に、テイカーは自分のことで頭がいっぱいなので、「私たち」よりも、私を使うことの方が多いということです。
テイカーは、自分の取り分を最大限にすることに生きがいを感じているので、友人よりもお金を優先するようです。
そして、表面上は気に入られる技術を最大限心得ているので、笑顔を作るのが上手く、自分に金銭をもたらしたり、将来自分を地位的にも金銭的にも、金や物をもたらしてくれる人には優しくするが、そうでない人には冷たいか、通りすぎるということです。
組織をギーバーが多くしたい人にはどのようなことをすればいいかを示唆してくれているのですね。
それは、グループに一貫したギバーが1人いるとほかのメンバーはより与えるようになる。
与えることをごく当たり前にするには、たった1人ギバーがいるだけで十分だということです。
また興味深いことに、天才を育てる人はギバーになる傾向があるということです。
彼らは、自分の知力を使って、ほかの人々の知性や能力を増幅して、ひらめきを引き起こし、アイデアを生み出し、問題を解決させるということです。
自分の知力にだけ頼って一見個人の力が大きい仕事でも、成功するかどうかは自分理解している以上にほかの人々の協力にかかっているのだそうです。
非常に才能のある人は他人に嫉妬されやすく嫌われたり、恨まれたり、仲間外れにされたり、陰で中傷されたりする。
ただし、これがギバーであればの話しで、むしろギバーは感謝される。
ギバーとして信用されると、ちょっと大胆で挑戦的なアイディアを出しても、周りに特別に認められてしまう。
これはみんなの協力によって生まれた成果なのです、ということが実感としてわかっているようですね。
人の哲学形成も、宗教の思想形成も同様に!
また興味深い研究があるのですが、成績のよくない生徒や、差別を受けているマイノリティグループの生徒の成績と知能検査のスコアを向上させるには教師が生徒に対して期待を抱くことが大事ということです。
でたらめに能力が高いと分類した訓練兵の方がそうでない訓練兵よりも、専門知識テストと武器操作の評価でかなり成績が上がったようです。
逆に、テイカーは同僚や部下の可能性に期待をかけることはまずない。そして相手を警戒しているのです。
そういう態度は、悪循環を生み、同僚や部下のやる気と成長を妨げます。

ギバーは可能性の片鱗が見え隠れするまで待ったりはしない。
すべての人の中に可能性を見いだそうとする。
人が才能を伸ばすきっかけになるのはやる気であることであり、生まれもっての才能ではないということです。
これには驚きました。
私がこれまでの人生を回想して、思い出深く想起しやすいのは、思いやりのある親切で寛容な先生だった、ということです。
ただ厳しいだけで生まれもって才能ある人間だけを寵愛していたような先生は誰だって虫が好かないでしょう。
それに、生まれもっての才能があるだけで寵愛されても、その才能が高くとも、本人がそれを好まないのであれば、いくらトレーニングを課しても、テンションが下がり、やる気など失せてしまうのは必至です。
また、ギバーは全体を見てほかの人々にとって一番大事なことを優先させるということです。
長い目でみてより良い選択をするためならば、さしあたって自分のプライドや評判が打撃を受けても構わない。
へこたれずに練習し、ギバーとしてプレーする選手を見つけるとその選手をダイアモンドの原石として扱った。
これが一番いい。

テイカーが何でも自分できめたがるが、ギバーは他人の意見にも耳を傾ける。
バスケットで有名な、マイケル.ジョーダンは、選手時代から自分の利益しか考えない利己的な振る舞いになっていたようです。
これもまた意外なことで驚きました。
「成功するには自分本位にならなければならない」
これがマイケル.ジョーダンの残した言葉だそうです。
テイカーは、ほとんどだれにも感謝の言葉をかけない傾向があるようです。
ギバーは、相手にものを尋ねてその人とよく知り合うことでギバーは信頼関係を築き上げ、ニーズを知ろうとする。
これを日々繰り返すうちにどんどんセールスが上手くなっていくのだ。
テイカーが本当に有能だと確信するようにはなるが、このことが情報の共有やメンバー同士の良いアイデアをやり取りするのを妨げる。
売り手が買い手にアドバイスを求めると42%が合意に達する。
また、成功しているギバーは、普通よりも他者重視だけでなく利己的でもあるようです。
自己犠牲ギバーは病的なまでに他人につくすあまり自分自身のニーズを損ねる。
ギバーは、人のためになっていることで生きがいを感じるがゆえに、自分の仕事がどんなふうに人の役に立っているのかを綴った手紙を読んだだけでギバーはテイカーと同じレベルの生産性を達成したのだということです。

そして、オペレーターは通話時間が2倍になったのです。
ギバーは他人のことも思いやりながら、他人のことも思いやりながら他者志向的に与えれば心身の健康を犠牲にすることはなくなる。
そして、疲れたときに他者と結びつきたい欲求が高まる。
つかれ果てると、同僚を助けることに注ぎ、人と関係強化、自分への支持を確立することになるのです。
寄付するからこそ、もっと懸命に働いてもっと稼ごうという気になる。
お金や時間を他人の人に使ったひとは幸福度が上がったようです。
愛想のいい人はギバーで、無愛想な人はテイカーと思ってしまう傾向は誰にでもあるのはわかりますね?
しかし実際は逆なのです。
その内実を見極めるには、古いようですが様々な機会を得てテイカーかどうかを見極めよ、ということです。
他人への利益を強調しても、テイカーは興味を示さない。
特別プロジェクトに対するの責任を持たせて、90日ごとに進捗状況を報告させる。
こういった事実を見せられると、社員のやる気を起こすためには、こういった行為をすればいいということがわかりますね。
ここまで読んでピンときた上役、経営者は、すぐさま行動に移すことを勧めたいのです。
まず、このアダム.グラントの『GIVE & TAKE』を読むのが先決ですが(笑)
しかし、ここまで書くとテイカーは悪の面がかなり多いですが、そのまま駆逐されるのを待つべきなのでしょうか?
そこは長い年月を経た考察が必要な気がします。
この本には、テイカーと付き合うためには、マッチャーとしてふるまえばいいのだ、ということを書かれているのです。
やはりギバーは、精神生活では、取り分を控えめに要求してしまうので、普段から主張をしようということがわかる。
他人のために自分に見合う請求をしなくてはいけません。家族のために、パートナーのために。
対人関係においては、自分との類似性は何かにひきつけられる際に、ちょっとした潤滑油の役割を果たすらしい、ということが分かったのです。
誰かに出会った時に、その人に自分を連想させるものがあると、ひとはすこしだけ熱心になり友好的になり、こころを開くようになるのだ、という示唆的な事実がある。
それゆえに、同じ信者によって、同じ宗教間の結婚はやはり多い。
また、卒業後に初めて2人が出会った時に、同じ大学出身であることを知ることによって、人はその人に親近感が増すということです。
ゆえに、多くの学部を擁した総合大学が就職に優位になるということは間違いないでしょう。
こういった心理学的な事実を知っているか知っていないかで、人生は大きく変わることは間違いないでしょう。
そんな内容について興味を持った人には、このアダム.グラントの『GIVE & TAKE』はおすすめです。
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